中学生と2人暮らし。甘味、街歩き、ときどき読書もすき。

雨の下町散歩は行き当たりばったりでも楽しかった話


月曜日と休日につく雨マークは
全然好きになれないけど
たまにはいい仕事をしてくれる。

彼と錦糸町で待ち合わせをして
バスで清澄白河へ。
特に下調べもしなかったので
人がちらほら向かう方へついていくと
立派なお寺や雑貨屋さんなどが立ち並ぶ通りへ。

途中で見つけた昔ながらの和菓子屋さんで
マガどら」という字を見つけて足を留める。

「ねぇあのどら焼き、モヤさまでも紹介されたって」
「すぐそういうのにとびつく」

マーガリンをはさんだどら焼きと
彼が好きな水ようかんを購入して
早速店前に置かれた二人掛けの長椅子へ。
どら焼きの生地はしっとりと甘く
癖のないマーガリンもよく合う。とても上品だ。

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口の中がちょうど甘くなったところで
清澄白河に来たら、ね」と珈琲屋さんを探すと
変わった器具が並んだお店を発見。
理科室蒸留所』その名の通り
理科の実験室に置いてあるようなそれで
珈琲を一滴一滴丁寧に抽出している。

お店のこだわりを感じる
「水出し珈琲ブラック」と
「ジンジャーマサラ珈琲」を注文。
出来上がりを待っている間は、お店のお姉さんが
コンセプトや経緯を楽しそうに教えてくれた。

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ブラックはきりっと苦く
口いっぱいに香りがぶわっと広がる。
ガラムマサラのカフェオレは
スパイシーで後味もとても濃厚。
まさにここでしか飲めない味で私のどストライクだ。

そろそろ飲み終わるのが名残惜しくなった頃
門前仲町駅がみえてくる。
週明けに大仕事を控える彼の景気づけにと
富岡八幡宮へ向かう途中
大粒の雨がぽつぽつと降り始めたため
その手前の『成田山 深川不動堂』で雨宿りをすることに。

「中で何か始まりそうだね」
「いってみようか」

本堂を覗くと、まもなく祈祷が始まる空気。
2階席にすわるとお坊さんから
お経の一部が書かれた小さな紙を渡される。
しばらくすると席はほとんど埋まり
お坊さんのごあいさつと共に祈祷が始まった。

御札のお火加持や、地面まで響き渡る太鼓の音は
今まで厄除けの祈祷に行ったどのお寺よりも迫力があり
終わった後も語彙力を失った私たちは
「なんか、来て良かったね」
「うん、憑き物全部落ちたわ」
と、雨による予定変更にも大満足で
錦糸町まで戻った。

雨が一層強まる中
遅くなってしまったランチを探すと
駅の近くで「炉端焼き」という文字を発見。
夕方早い時間にもかかわらずお客さんでにぎわう。

でも入ってみれば、それもそのはず。
注文を取りに来てくれたおばあちゃんから
「今日初めていらしたんですか?
ありがとうございますね」と
深々お礼をされるし
「みて、今日のコチ。立派で美味しそうでしょ」と
カウンターの向かいから大将のおじさんが
鮮やかな桃色のそれを両手に掲げて見せてくれる。

ここにして正解だね、と
アットホームな雰囲気の中で乾杯。
頼んだものはどれも本当に美味しく
でもやっぱり一番は
大将がじっくりと焼いてくれたものだった。

 (丸ごと一ぴき!もちろん日本酒を頼んだのは言うまでもなく)


雨宿りのおかげで
楽しくて美味しい休日になったし
富岡八幡宮へのリベンジも今から楽しみだ。

 

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